仏典は大きく分けて
- 経・・・ストーリー
- 律・・・出家者の生活規範をまとめたもの
- 論・・・要点だけをまとめたもの
経の十結は以下の10になります。
- 欲貪の結(自性は貪心所)
- 色貪の結(自性は貪心所)
- 無色貪の結(自性は貪心所)
- 瞋恚の結(自性は瞋心所)
- 慢の結(自性は慢心所)
- 見の結(自性は見心所)
- 習性行の把持の結(自性は見心所)
- 疑の結(自性は疑心所)
- 掉挙の結(自性は掉挙心所)
- 無明の結(自性は痴心所)
五下分結
以上のうち、赤字部分の、欲貪、瞋恚、見、習性行の把持、疑の5つを五下分結と呼びます。その理由は、生命を下界(欲界)に結び付けるもので、五下分結がある限り、生命は欲界に転生します。五下分結が遮断されていない生命は、仮に上二界(色界、無色界)に生まれ変わったとしても、また欲界に転生する可能性があります。
また、これらのうち見、習性行の把持、疑の3結は預流道で遮断されるもので、この3結を遮断しない限り、離善地からも逃れることができません。
さらに、残りの欲貪、瞋恚は不還道によって遮断されます。
五上分結
また、青字部分の、色貪、無色貪、慢、掉挙、無明の5つを五上分結と呼びます。五上分結は生命を上二界(色界、無色界)に結び付けるものです。不還果に達すれば、五下分結はもう生じないため、欲界に転生することはありませんが、五上分結が残っているために、上二界(色界、無色界)に転生するわけですね。